過去に執筆した記事に問題がありましたため下記の通り訂正致します.謹んでお詫び申し上げます.

2017年1月号 p85 仮想GNDを生成している回路の修正

記事では,アナログ信号の基準となる仮想GNDを,抵抗分割で中間電位を作りボルテージフォロア回路でインピーダンス変換して生成していました.

しかし,使用したOPA344は,ユニティゲイン安定ではなく発振する可能性がありました.たまたま,手持ちのロットで問題が出なかったため当時は気付きませんでしたが,他のロットで発振が確認されました.

対策として,オペアンプの出力に,200 Ωと0.01 µFのスナバ回路を追加しました.対策前後の回路を下図に示します.

対策の効果は,シミュレーションでも確認できます.TI社が提供しているSPICEモデル(2個入りバージョンのOPA2344)を使用して,負荷容量を300 pFとすると,位相余裕は,対策前は20°しかありませんが,対策後には120°確保されています.浮遊容量は多めに見積もっていますので,十分なマージンと考えられます.

対策前の回路図:

対策後の回路図:

対策前のシミュレーション結果:

対策後のシミュレーション結果:

2021.01.16 T. Tatsuoka