本日発売の インタフェース 2021年 3月号 にて,

特集「Pythonで信号処理 時系列データ解析編」
特設「やり直しのための信号処理数学」

を執筆致しました.

特集

生体信号を題材に,基本的な時系列信号処理である,周波数解析およびディジタル・フィルタをPythonで実装しました.

周波数解析

FFT,ピリオドグラム,ウェルチ法,スペクトログラム,MEM(最大エントロピー法),Lomb-Scargleピリオドグラムなど,複数の手法を紹介しています.

ディジタル・フィルタ

IIRフィルタとして,バターワース型のバンドパス・フィルタと,2次ノッチ・フィルタを,
FIRフィルタとして,ハミング窓を用いた窓関数法によるローパス・フィルタと,基本的な例で説明しています.

その他

移動平均,包絡線検出,スペクトルの統計値算出,心電図のQRS検出に利用できるライブラリの適用例など,盛り沢山の内容となっています.

データとプログラムは,下記サイトの「ダウンロード」から辿ることができます.
https://interface.cqpub.co.jp/magazine/202103/

特設(前半)

周波数解析の理論として,フーリエ変換が4種類あることを知り,基底変換と内積を理解することでフーリエ変換がイメージで分かるようになり,窓関数がなぜ必要でどう使い分けるかを理解し,他にも,サンプリング定理やエイリアシングなどの離散時間信号の性質,スペクトルの定義式やグラフタイトルの例などを集めた周波数解析に関する便利帳まで,具体的な図を多用し,概念的な理解を目指した渾身の記事です.

特設(後半)

ディジタル・フィルタ編として,なぜフィルタを畳み込みで実現できるのか(線形時不変性),入出力の関係を差分方程式から数学的に扱いやすい伝達関数の形に変えるz変換,z変換の元となるアナログ領域でのラプラス変換を学び,他にも,伝達関数の極零配置から安全性や特性の概要を把握するディジタル・フィルタの解析まで,先人の偉大さを感じられます.

なお,FIRフィルタ,IIRフィルタの設計は次号へ持ち越しとなり,今月号では上記までを掲載しています.

周波数解析とディジタル・フィルタの理論と実践を学びたい方は,是非ご覧ください.
https://shop.cqpub.co.jp/detail/2552